聞き書「大阪の食事」を読む。

たいした期待もせず、「大阪の食事???」と何となく手にした本である。

0831大阪1

これが、実に面白かった、というか、ハッとさせられる本でした。

この本は、大正の終わりから昭和の初めころの大阪の食生活を再現したもので、
表現も昭和の初めの食生活を今しているような感じで書かれています。
食の聞き取り調査、取材は、昭和の初めに食事つくりにたずさわっていた主婦の方々です。

例えば項目はこんな感じ。
船場旧家「御寮人さんの四季の暮らしと食べ物」、「船場貿易商の四季の暮らしと食べ物」
「堺刃物鍛冶の四季の仕事と食べ物」「天満 雑貨商の四季の食生活」→ゴールドスミスの近辺、
老松通りの雑貨商の方の暮らしを聞き書きされてました!! 
そして、「大阪 月給とりの四季の食生活」も聞き書きされてあり・・・・。

食生活を通して、その当時の四季の暮らしが書かれています。

例えばこんな感じ。これは、「堺刃物鍛冶の四季と仕事」からの「夏ーおやつー」から抜粋。

火造り場の夏はことのほか暑い。午後三時になると職人たちは、パンツ一つになり、
誰も見ていない野っ原に出てバケツに何杯も水をかぶって身体の火照りを冷ます。
暑くなると、おかみさんの実家の大和から すいかが届く。
すいかは、貨物で高野線の駅に着くので、取りにいく。
藁こもに四つ入れて縄でしばったのが三、四個届く。
割れたのがあると温いままかぶりつく。すいかは、職人さんのおやつに3時ごろだす。
職人さんは、野外の風通しのよい床机に座って食べる。

読んでいて、こんな美味しい すいかは、ないだろうなぁ~と思う。
すいかを食べるのが夏のおやつの楽しみの一つなのである。

この本を読んでいると、四季の行事を楽しみ、旬のものを頂く生活。
一生懸命働いて、ご飯を食べる。
「食べる」ことを大切にするという当たり前の生活が書かれているのだけど、
こんな風に、生き生きと自分達は、食べることができているのだろうか・・・と
今は24時間店も開いていたりで、
てきとーに済ませようと思えばいくらでも食事はてきとーに済む時代。

のっぺらぼうの食事ではなく、楽しんで食べねば!と思うわけである。


ハッとさせられた本でした。

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